株式会社Move Forward Marketing 代表取締役の長谷川 力(はせがわ りき)です。

Web広告やLPの改善相談を受けていると、よく聞かれる質問があります。

「もっと刺さるコピーにしたいのですが、どう書けばいいですか?」 「クリック率が上がる言葉はありますか?」 「問い合わせにつながるキャッチコピーを作れませんか?」

もちろん、言葉の選び方は大切です。 しかし、最初に断言しておきます。

刺さるコピーは、センスの良い言い回しからは生まれません。 顧客の本音と、商談の出口から逆算して初めて生まれます。

コピーライティングを「うまい文章を書く技術」だと捉えている限り、広告は表面的になります。 本当に成果につながるコピーとは、顧客が心の中で思っているけれど、まだうまく言葉にできていないことを、こちらが先に言語化することです。

読んだ瞬間に、

「そう、それが言いたかった」 「まさに今の自分のことだ」 「この会社は分かってくれている」

と思ってもらえる言葉。 これが、刺さるコピーの正体です。

「綺麗なコピー」では売れない

多くの広告やLPが反応されない理由は、文章が下手だからではありません。 顧客の現実からズレているからです。

例えば、次のようなコピーをよく見かけます。

高品質なWeb広告運用をワンストップで支援します

書いてあることは間違っていません。 むしろ、多くの会社が言いたいこととしては正しいでしょう。

しかし、顧客の心はほとんど動きません。

なぜなら、顧客が知りたいのは「御社が何を提供しているか」ではなく、「自分の今の悩みがどう変わるか」だからです。

コピーの主語が自社になった瞬間、顧客は自分ごととして読めなくなります。

同じ内容でも、顧客の状況から書き始めると印象は変わります。

広告費を増やしても問い合わせが増えない。その原因を、運用画面ではなく商談までの導線から見直します。

こちらの方が、読む人は自分の状況と照らし合わせやすくなります。 サービス説明をする前に、顧客の頭の中にある言葉で入口を作る。 これが、コピーの第一歩です。

コピーは、営業の前に行う「最初の商談」である

私は、コピーを単なる広告文だとは考えていません。 コピーは、営業担当者がお客様と会う前に行う「最初の商談」です。

広告を見た時点で、顧客はすでに判断を始めています。

「この会社は自分たちの課題を分かっているのか」 「よくある広告代理店と何が違うのか」 「相談したら、ちゃんと売上まで見てくれるのか」

この段階でズレた言葉を出してしまうと、商談の前に負けます。

例えば、高単価で本質的な支援を提供している会社が、入口で「安い」「すぐできる」「無料」といった言葉ばかりを使ったらどうなるでしょうか。

集まるのは、価格だけを見ている見込み客です。 営業現場では、サービスの価値を説明する前に「もっと安くならないのか」という話になってしまいます。

これは営業の責任ではありません。 入口のコピーで、集めたい顧客と違う人を集めてしまっているのです。

だからこそ、コピーはクリック率だけで判断してはいけません。 その言葉で集まった人が、商談で前向きに話を聞いてくれるのか。 契約後に良い関係を築ける顧客なのか。 ここまで逆算して考える必要があります。

刺さるコピーの材料は「顧客の独り言」にある

刺さるコピーを作るとき、最初に考えるべきなのはキャッチコピーではありません。 顧客が普段、心の中でつぶやいている独り言です。

Web広告に悩んでいる経営者やマーケティング担当者なら、こんなことを考えているかもしれません。

  • 広告費をかけているのに、売上につながっている実感がない
  • 代理店からレポートは来るが、次に何をすべきか分からない
  • CPAは悪くないと言われるが、商談の質が低い
  • LPを作り直したのに、問い合わせ数が伸びない
  • 社内に詳しい人がいないので、判断が正しいのか不安

この独り言が具体的であればあるほど、コピーは強くなります。

逆に、ここが曖昧なまま書き始めると、「成果を最大化します」「課題解決を支援します」「伴走します」といった、どの会社でも言える言葉になってしまいます。

きれいな言葉よりも、顧客の実際の言葉。 それがコピーの材料です。

「誰にでも伝わる」は、誰にも刺さらない

コピーを書くときにやってしまいがちなのが、対象を広げすぎることです。

「中小企業向け」 「経営者向け」 「マーケティングに課題がある企業向け」

これらは一見するとターゲットを絞っているように見えますが、コピーを書くにはまだ広すぎます。

例えば「中小企業」と言っても、従業員5名の会社と100名の会社では課題が違います。 社長が広告管理画面を見ている会社と、マーケティング担当者が代理店とやり取りしている会社でも、刺さる言葉は変わります。

コピーを書く前に、少なくとも以下の3つは決めておきたいところです。

  • 誰が読むのか:社長、役員、マーケティング担当者、営業責任者
  • どんな状況か:新規問い合わせが減っている、商談化率が低い、代理店に不満がある
  • 何に不安を感じているか:費用対効果、社内説明、競合比較、次の打ち手

ここまで具体化すると、コピーの解像度が上がります。

例えば、

Web広告に課題がある企業へ

よりも、

広告代理店に任せているのに、商談につながる問い合わせが増えない経営者へ

の方が、該当する人には強く届きます。

刺さるコピーは、全員に好かれる言葉ではありません。 「これは自分のことだ」と思う人を明確にする言葉です。

Before/Afterが見えないコピーは動かない

顧客が行動するのは、今の状態から抜け出したいと思ったときです。 だからコピーには、必ずBefore/Afterが必要です。

Beforeは、顧客が今いる不満や不安の状態。 Afterは、サービスを通じて手に入る望ましい状態です。

例えば、単に

広告運用を改善します

と書いても、何がどう変わるのかが見えません。

これをBefore/Afterで書くと、次のようになります。

毎月の広告レポートを見ても打ち手が分からない状態から、次に改善すべき導線が明確な状態へ。

この方が、顧客は自分の変化をイメージできます。

人は機能に反応しているようで、実際には変化に反応しています。 「何ができるか」よりも、「自分の何が楽になるのか」「何から解放されるのか」「どんな前進があるのか」を書くことが重要です。

刺さるコピーを作るための実務ステップ

では、実際にどう作ればいいのか。 私は次の順番で整理することをおすすめしています。

1. 優良顧客の言葉を集める

まずは、既存顧客の声を集めます。 特に見るべきなのは、契約前の悩みと、契約後に感じた変化です。

聞くべき質問はシンプルです。

  • 依頼前、何に一番困っていましたか?
  • 他社ではなく、なぜ当社を選びましたか?
  • 依頼前に不安だったことは何ですか?
  • 実際に始めて、何が一番変わりましたか?

この回答の中に、コピーの核があります。

2. 顧客の悩みを1文にする

次に、顧客の悩みを1文にします。

広告費をかけているのに、商談につながる問い合わせが増えない。

この1文が具体的であればあるほど、その後のコピーは書きやすくなります。

「売上を伸ばしたい」だけでは広すぎます。 「広告費をかけているのに、商談につながる問い合わせが増えない」まで言えると、読み手の状況に近づきます。

3. 変化後の状態を1文にする

次に、サービス提供後の状態を書きます。

広告から商談までの導線が整理され、営業が提案しやすい見込み客が増えている。

ここで大事なのは、抽象的な成果ではなく、現場で起きる変化を書くことです。

「成果が出る」ではなく、 「営業が提案しやすい」 「次に改善する箇所が分かる」 「社内で広告投資の説明がしやすくなる」

というように、顧客の仕事や意思決定がどう変わるのかまで落とし込みます。

4. 商品名ではなく、顧客の変化を見出しにする

最後に、コピーにします。

広告費を増やす前に、商談につながらない原因を見直しませんか。

このコピーは、サービス名を前面に出していません。 しかし、顧客の課題と変化の方向性は伝わります。

広告やLPの入口では、まず顧客に「自分の話だ」と思ってもらうことが大切です。 詳しいサービス説明は、その後で十分です。

株式会社Move Forward Marketingが大切にしていること

私たちは、コピーを単体で考えません。

広告、LP、ナーチャリング、商談、成約。 すべてを一本の導線として見ます。

どれだけクリックされるコピーでも、商談で違和感を生むなら意味がありません。 どれだけ綺麗なLPでも、営業現場で説明しづらいなら改善が必要です。

重要なのは、顧客が広告を見た瞬間から、最終的に「この会社に相談してよかった」と感じるまでの一貫性です。

だからこそ、私たちは運用画面の数字だけでなく、商談の質、問い合わせ後の温度感、成約までの流れまで見ます。 コピーもその一部です。

言葉は入口ですが、入口である以上、出口から逆算されていなければなりません。

まとめ:コピーは、顧客理解の深さがそのまま出る

刺さるコピーを作るために必要なのは、派手な言葉ではありません。 顧客の現実をどれだけ具体的に見ているかです。

  • 顧客は、どんな状況でその広告を見るのか
  • 心の中で、どんな不安や不満を抱えているのか
  • 何が変われば、相談する価値があると感じるのか
  • その変化を、顧客自身の言葉でどう表現できるのか
  • そのコピーで集まった顧客は、商談で前向きに話を聞いてくれるのか

この問いに答えられないままコピーを書いても、どうしても表面的な言葉になります。

逆に、顧客の本音と商談の出口が見えていれば、コピーは自然と強くなります。

売り込むのではなく、代弁する。 説明するのではなく、気づかせる。 商品を語るのではなく、顧客の変化を語る。

刺さるコピーとは、顧客の本音に最短距離で届く言葉です。

もし御社が今、「広告は出しているのに商談につながらない」「コピーを変えても数字が動かない」と感じているなら、一度、広告単体ではなく、成約までの導線全体を見直してみてください。

株式会社Move Forward Marketingでは、広告運用だけでなく、顧客理解、コピー、LP、商談までを一気通貫で設計し、御社のビジネスが確実に前進するための支援を行っています。